42歳の初産

今までクリニックで不妊治療を受けて1年すこし、加えて鍼灸も取り入れようと来られた方です。

不妊治療を受けられる方には、
必ず過去の基礎体温表を持ってきてもらい、まずは体温の高低差を見ていきます。

基礎体温から見える不妊の一つの特徴は、
高温期が短い、または低い、さらに両方重なって短くて低い。

そして、もう一つの特徴は排卵日。
本来なら排卵期には、がくんと体温が下がりそこから一気に高温期に突入するのが通常ですが、不妊の多くの方は排卵日の体温が下がりきらず、上がったり下がったりいつが排卵日かがはっきりせず、がたがたとした折れ線グラフが低体温状態で続いた後、ゆるやかに高温期に入っていくというパターンが見られます。

今回来院された方は、すべて上のパターンを満たしていました。

不妊症

そして基礎体温チェックの後は、今困っているからだの具合をお訊ねしました。
「腰痛」「肩こり」「冷え感」、これらは多くの不妊の女性が述べられる特徴的な症状ですがその方も腰痛、肩こり、背中のだるさ、食欲不振、頭がボーとする、朝起きて口が苦い、食べ物の味があまりしない…など。

「鍼灸を受けるのは初めてで、しかも私は痛がりの感じやすいタイプなので、できるだけ穏やかにお願いします」と話され、初回は緊張されている様子に、鍼灸に徐々に慣れていってもらいたかったので、刺激はできるだけ少なくして初回は終了しました。

治療方針は、
高温期の体温を36.7℃以上に引き上げてそれを2週間維持できるように、また排卵期にはがくんと一気に体温が下がるようにと基礎体温バランスを調えていくこと。
そしていやな症状を緩和し、加えてからだ全体の活力を上げていくこと。
妊娠に導くにはこの治療はかかせません。

回を重ねていくにつれ、上の症状は薄らぎ、そしていつのまにか症状も忘れるほど気にならなくなってきたようでした。
やがて体温の高低差もはっきりしだした3ヶ月後、電話がかかってきました。
「陽性反応が出ました!」
クリニックへ。
「妊娠しました」

そして、10ヶ月後無事出産との連絡をいただきました。

妊娠するからだつくりの過程でたどる多くは、
からだの不快な症状がなくなり、今までよりも体調がよくなってそしてしばらくして妊娠されていく方が多いのです。

42歳で初産。
今まで一度も妊娠経験もないしと、はじめは半分あきらめモードで来られていましたが、遠路川西市から通われていたかいがあったと話されました。

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