初めての鍼

40歳少し前の方。青くやつれた感じで当院に来られました。

「初めて鍼を受けるのですが…。最近、体調がとにかく悪くて、それで働ける自信もなくなってしまって…。」と小さな声で言われて、肩をすぼませてられました。

お話を聴かせてもらうと、

食欲が湧かない。
肩から背中が凝ってしかたがなく、マッサージに通っているが、らくなのはその最中だけ。
からだに力が出ない。
今まで普通に元気だったのに、信じられないくらい体力が落ちて、自分は今後どうなるのかと、すっかり自信がなくなってしまった。
病院で検査もしたけれど、なんの異常も見られることもなく、医者からは自律神経がおかしくなっているのだろうと言われたと。

診察すると、ほんとにお言葉通りで、お腹にも、脈にも力なく、へろへろ状態でした。
お顔の色もくすみ、げっそりといった感じでした。

よくよく診ると、胃腸に血液がうまくまわっていないようでしたので、治療はそこから始めました。
今回、初めて鍼を受けられるということだったので、慎重に何度も脈を診て、舌を見せてもらいながら施術しました。
というのは、初めての方というのは、どれだけ体に鍼の刺激の量が適切か分からないので、その方の容量を越えないよう、また不足すぎないようにしながら、細心の注意をはらいながら治療をすすめる必要があるのです。

痛みや刺激を確かめながら、慎重に鍼をした治療後、お顔の色もきれいなピンクに変わり、背中もふんわりとなりました。

回復

この時はまだご本人はそんなにからだの変化を感じられないようで、「これで終わり?」というような顔をされています。
できたら、今週以内にもう一度きてもらうようにお伝えし、初めての鍼治療を終えました。

そして、4日後。
肩背中の張り感もだいぶとれて、あれだけ体力的に自信がなかったのに、「うそのよう」と笑顔で報告してくださいました。
今回は、スタミナを上げるような鍼と気力が湧くように調整して終了しました。

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